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01.Money
まずは大事なおカネの話です。事故資金はどれくらい必要か?借入するのに必要なものは…?
1.自己資金
カフェを開業しようと思うのであれば、まずある程度まとまったおカネを準備する必要があります。でも、どのくらい?私の場合、30坪の想定で計画立案しましたが、上手く物件が見つけられず、20坪になってしまいました。通常開業までの必要経費は坪あたり100万円。30坪なら3000万円、20坪なら2000万円程度はかかることは覚悟しましょう。もちろん居抜物件が見つかれば、初期投資はウンと抑えられます。でも、そうそう都合よく見つかるものでもありません。初期投資は自己資金と融資で賄いますが、融資は最大で自己資金の2倍が限度です。30坪の物件であれば、自己資金1000万円、融資2000万円で合計3000万円といった計算になりますから、最低でも1000万円は準備する必要があります。

しかし金融機関と交渉してみて、実際には自己資金に余裕がないと、低利の融資は望み薄です。自己資金の倍までというのは、一般的な融資の場合だけで、政策金融公庫などは、ほぼ有り得ないというレベルの話です。公庫で申し込んでダメな場合は信金などで借りるしかないのですが、その場合は担保を求められたり、連帯保証人を求められたり、そして役所の推薦を取ってから信用保証協会の保証が必要になります。役所の推薦を受けるには、税金の滞納が無いことなど、条件がつきますが、さほど厳しいものではありません。

公庫であれ、信金であれ、問題は時間がかかることです。例えば物件が決まってから、1月で開業しようと頑張っても、融資の手続きとして、不動産の賃貸借契約書や内装工事の見積書、備品の見積書などを求められます。また、住宅ローンの残高を証明するものや、公共料金の支払い状況を証明するものなども必要です。私の場合、妻の預金通帳や妻の前年度の源泉徴収票まで求められました。また、仕入先の一覧も求められますが、プレコフーズやタカナシを書いておけば、この部分はクリアできます。そして、最も面倒なのが、事業計画書です。私の場合、半年以上かけて作り込んだパワーポイントを持ち込んでも、さらに曜日ごとの売上げ計画を求められたり、売上げ見込みの数字の根拠を求められたりしました。返済計画も無理がないか、実に細かい計算を求められます。猛烈に厳しい問答を経て、確実に返済できる人間だと思わないと貸さないといったスタンスです。

とにかく、事業計画書はしっかり準備しましょう。そして、自己資金はできるだけ多く準備しましょう。実際、私の場合、退職金を注ぎ込んで自己資金2400万円を準備したものの、いい物件が見つけられず、時間がかかってしまい、その分人件費も嵩んでしまったので、数百万円の無駄が出てしまいました。また、元事務所だった物件を改装するために普通以上に内装工事におカネがかかってしまい、1000万円近い融資の申し込みとなりました。自己資金2400万円に対して1000万円だとしたら、一般的に言われている率からしても大したものではないはずですが、それはそれは大変な作業でした。でも、越えなければいけないハードルです。皆さんも頑張って準備しましょうね。

2.内装工事代金
以下が私の内装工事1350万円(税込)の内訳です。
 仮設・解体・クリーニング  729,000円
 内装・塗装   1,004,940円
 電気設備  1,198,800円
 軽鉄・ボード・左官  416,772円
 給排水・衛生・ガス   1,522,260円
 設備=金物  1,323,000円
 設備=木工  2,619,000円
 設備=木建具  437,400円
 看板制作   243,000円
 ダクト・空調  2,937,600円
 入口ドア設置   264,600円
 階段張替え  275,400円
 諸経費(値引き含む)  528,228円

この他に
 厨房機器  3,080,000円
 エスプレッソマシン  1,500,000円
 その他備品  3,000,000円
といったところです。

通常施工と設備で坪60万円、つまり20坪物件の場合1200万円といわれておりますが、遥かにオーバーしてしまいました。

さらに敷金、礼金、信用保証料等を含む物件取得費(私の場合、約150万円)
そして広告宣伝費や水道光熱費を含む諸雑費など、いろいろかかります。

ここで、注意が必要なのは、物件によって内装工事の経費は大きく違ってくることです。私の場合、入り口ドア設置や階段の張り替えなど通常不用と思われる経費も発生してしまいました。不動産広告では間取りやロケーションばかり気になってしまいますが、元々飲食店向け物件でないと、経費はどんどん増えていきます。私の場合、消防法の絡みで、建物の用途変更手続き等も発生してしまい、消火器の増設や避難はしごの設置など、細かい経費が上積みになりました。よーくチェックしてから契約しましょうね。

3.厨房機器
かなり負担が大きい部分です。基本的な構成は厨房機器の業者さんが提案してくれますが、自分が売りにしようと思うメニューを展開するのに必要な機器が揃っているか、容量が足りているかは自分で判断しなければいけません。私は店舗プロデューサーの推薦構成を基にどこまで削れるかという作業になりました。70万円超のスチーム・コンベクション・オーブンを削ることで調整することになりましたが、他は削ったところでやり難くなるだけかもということで、思っていたほど下げられなかったといった印象です。また、店舗プロデューサーにはケーキ用の冷蔵ショーケースはイチバン小さいものでいいから絶対欲しいと伝えていたのにもれておりました。それで下げ幅が小さかったということもあります。400万円程度と言われていたものを308万円(税込)までさげたのは、スチコンを諦めたというだけです。家庭用オーブンレンジの5万円前後のものを追加で買いますので、87万円マイナスといったところです。

また、スチコンにはダクト設置が義務付けられます。スチコンを諦めた時点でダクトフードが一つ不用になり、内装工事の経費が少し浮くことになりました。工事をすすめながらそういった調整もしていくという作業が出てきます。内装業者は、そういったことに柔軟に対応してくれるところを選ばないといけませんが、最初から値切り過ぎるとその辺が難しくなるかもしれません。

カフェ・トゥルノントゥ 厨房機器見積書

4.売上計画
融資の場面でも求められますし、自分の日次月次の売上目標を作る場合にも必要となりますので、売上計画は早めに作り込む必要があります。融資の場面ではその根拠まで求められます。日経レストランなどで提供されている一般的な売上計画に加えて、近隣のカフェや飲食店の満席率(混み具合)から割り出した数字が信頼できるものとして扱われているようです。私の場合、ランチ・ディナーを合算するかたちで最少・平均・最大の3種の数字を作り、最少と平均の中間を目標としましたが、公庫ではあっさりと「そんなに行かない」と言われてしまいました。さらには「曜日ごとの売上計画も作るべき」ということでした。

また、メニューから割り出した原価率と仕入額が合致し、それが売上げの33%といった想定原価率に合っていないと信憑性のない数字と扱われます。
 
 
   


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